網膜研究に使用された微小電極の変遷(橋本葉子教授退任記念論文集)
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概要
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1957年から始めた40年間の私の研究生活の中で,一番厄介だったのは,研究に適したガラス微小電極の作製である.網膜を構成する細胞は比較的小さいので,単一細胞の光応答を細胞内から記録するために用いられるガラス毛細血管超微小電極は,その先端直径0.1μm以下,シャンクの長さは20mm以上,3M KClの中での電極抵抗は200MΩ以上のものが必要という,当時としては非常に厳しい条件のものであった.シャンクが長い電極に電解質を充填する時,シャンク部分の気泡がなかなか抜けず,100本の電極を引いて使用可能なのは10本位という効率の悪さで,当時は電極作製にほぼ午前中が費やされるという状態であった.フィラメント入り(オメガ・ドット型)の毛細管が市販されるようになってこの問題はやっと解決したのである.網膜の研究に使用される微小電極は,応答記録の面からは細胞外,細胞内,パッチクランプ用に大別することができるが,素材面からは金属電極とガラス毛細管電極に大別できる.
- 東京女子医科大学の論文
- 1997-05-25
著者
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