子どもの生活環境と健康に関する研究(第1報)
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概要
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第1報では, 子どもを取り巻く生活環境が健康に及ぼす要因について, 生活環境調査から子どもの生活環境の実態を明らかにすることを目的とする。対象者は, 東京都のK保育園(KNS と略す) 山口県のY保育園(YNS と略す) の年長(6歳児)園児93名の保護者である。幼児の生活環境に関する調査は, 起床時刻, 就寝時刻,睡眠時間などの基本的な生活習慣, 食習慣, 運動習慣, 遊び環境などの29項目について質問紙を作成した。家族構成は, いずれの園についても80%以上の園児が両親と住んでおり, 母親のみと住んでいる割合はいずれも15%以下を示し, 両園における差は認められなかった。平均起床時刻は, KNS に比べYNS の方が有意(p<0.001) に早かった。平均就寝時刻は,KNS に比べYNS の方が有意(p<0.01) に早かった。平均睡眠時間では, KNS に比べYNSの方が有意(p<0.001) に長かった。通園方法は, YNS のおよそ90%の園児が車での送り迎えであるKNS ではおよそ9%と低い。反面, 自転車の送り迎えでは, KNS がおよそ60%を占め, YNS では2.4%と低く, 有意(p<0.05) な差が認められた。これらのことから, 都市部にある保育園では, 起床時刻, 就寝時刻共に遅く, 結果として睡眠時間が短い生活習慣を持つ園児の割合が多い実態が明らかとなり, 山間部にある保育園では, 起床時刻, 就寝時刻共に早く, 睡眠時間も長い園児の割合が多い実態が明らかとなった。しかしながら, 遊ぶ場所については, 両園における差が認められなかった。このことは, 子どもが好む遊ぶ場所は,環境的な要因よりもむしろテレビゲームを始めとする社会的な背景に起因していると考えられる。
- 2010-01-25
著者
-
松本 直也
桃山学院大学経済学部
-
Imanishi Shunji
桃山学院大学経済学部
-
Matsumoto Naoya
桃山学院大学経済学部
-
Ko Sungha
桃山学院大学国際教養学部
-
Matsuura Yoshimasa
大阪府立大学総合教育研究機構
-
Tsubouchi Shinji
大阪府立大学総合教育研究機構
-
Tanaka Yoshiharu
大阪府立大学総合教育研究機構
-
Shimizu Norinaga
大阪府立大学総合教育研究機構
-
Matsuura Michio
桃山学院大学経済学部
-
高 成廈
桃山学院大学国際教養学部
-
今西 俊次
桃山学院大学
-
Tsubouchi Shinji
Dept. Of Health Sciences College Of Integrated Arts And Sciences
-
Shimizu N
Faculty Of Integrated Art And Science Osaka Prefecture University
-
Matsuura Yoshimasa
Faculty Of Integrated Art And Science Osaka Prefecture University
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