平坦河床上に設置した置石工周辺の流れと河床変動

概要

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本研究では,円山川水系出石川下流の直線河道を対象として,河岸の一方に置石を設置することにより,流下能力を阻害することなく,瀬・淵等の多様な河道空間を創出するための置石工に着目し,その効果を検証するため,年最大流量規模の小洪水時における置石周辺の流れと河床変動に関する実験的検討がなされた.水路の左岸側に設置した置石部では抵抗の増大により,水位が上昇するとともに右岸方向への横断方向流速が卓越し,横断面内で流下方向流速に顕著な流速差が生じる.置石群の先端部では,逆円錐状の洗掘穴が形成されるが,その洗掘深は最上部の置石群先端部で最大となる.また,置石群列の下流部では,置石群列によって右岸側に偏寄した流れが,左岸方水路中央部から右岸方向に拡散されることにより,単列の砂州が発達する.以上のことより,等流時の掃流力が河床材料の限界掃流力以下となる静的条件においても,一方の側岸に置石群を設置することにより,河道の疎通能力を大きく損なうことなく,ある程度の局所的な河床変動が期待できることを明らかにした.
2009-10-30