間伐木杭を用いた低水護岸の腐朽特性に関する研究

概要

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木杭護岸は,近年注目される多自然河川工法の一つである.従来,主に防災を目的として護岸材料にはコンクリートが使用されてきた.一方,コンクリート護岸は生物多様性が無くなる等,自然との調和が課題とされ,近年では改修が進められている.本研究は,河川工学の観点から間伐材の用途として注目されている,従来のコンクリート護岸に変わる木杭を用いた護岸や水制等の河川構造物への適用について検討する.しかし,その使用に当たっては,強度及び腐朽に対する検討が必要である為,浸水と乾燥の繰り返しによる木杭の腐朽の程度,耐久性及び強度について,実河川の状況及び設置状態が木杭にどのような影響を与えるか,実河川と同様な設置条件を模倣した実験装置を用いて実験的に考察した.その結果,土や水と木杭が接する部分において腐朽の進行が早いこと,完全に浸水させた木杭は腐朽の進行が遅いこと,防腐処理剤は有用であること等を明らかにした.また,木杭と地面の接触部に竹炭がある場合とない場合で木杭の腐朽の程度,耐久性及び強度に違いがあるか実験的に検討し,腐朽の抑制効果が期待できることを明らかにした.
2011-07-31