夫と死別した高齢女性の悲哀の仕事 : サポートグループにおける参加者の語りから
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は死別した高齢女性のサポートグループにおける悲哀の仕事について,参加者の語りから明らかにすることを目的とした.夫と死別した高齢者女性に対し,1回2時間,計10セッションのサポートグループにおける参加者の語りの内容を分析した.その結果,大きく6カテゴリーに分けられた.(1)夫の介護と看取り,(2)夫への思慕,罪悪感,怒り,(3)抑うつ,(4)家族や友人の中での孤独と傷つき,(5)あきらめから受け入れへ,(6)これからの人生に向けての生活の再構築,であった.またこれらのテーマは死後数か月から1年以上を経ても,その量や質を変化させながらも,つねに同じように語り続けられ,これらは重層的に関連しつつ悲哀の仕事を促進させた.サポートグループにおいて自由に自発的に自らの悲しみについて語ることやファシリテ一ターや参加者同士の相互関係により悲哀の仕事が促進することが明らかになり,また仲間との出会いや,今後の地域での交流への発展の可能性が示唆され,グループの果たす意味を明らかにすることができた.
- 日本老年看護学会の論文
- 2004-11-01
著者
関連論文
- 看護基礎教育におけるカウンセリング教育(第6回目) : 学生が自分を知ること
- 娘の認識と行動が同居している前期高齢者の健康観に及ぼす影響
- 高齢者のヘルスプロモーション : 前期高齢高者の健康習慣と長寿に対する信念
- 老人ホームにおける感染看護に関する研究特にMRSAの汚染状況調査を中心に
- 会員の研究活動の現状と専門看護師(老人看護),介護保険制度に関する意識(研究活動推進委員会調査資料)
- 長野県女性の骨粗しょう症予防とヘルスプロモーションに関する研究 : 1.健康状況とライフスタイル
- 韓国の高齢化に伴う介護問題の現状と課題
- 医療者間で使われるドイツ語隠語の造語法に関する考察
- 夫と死別した高齢女性の悲哀の仕事 : サポートグループにおける参加者の語りから
- 看護基礎教育におけるカウンセリング教育(第5回目) : 話を聴くこと
- P3 「たのしみ経験」の要素とその構造化の試み : 幼児期から高齢期をとおして
- 010 子ども時代とその後の人生の「たしなみ経験」の関連 : 高齢者事例の想起から
- がん患者の心理的ケアに関する研究 : がん告知に対する医療者・患者の認識及び看護婦の役割について
- 看護教育研究 看護基礎教育における「人間関係・コミュニケーション」教育の現状と課題
- 新入学生オリエンテーション合宿と評価
- 長野県内病院の看護職員に対する現任教育の現状(第1報)
- 「聴くこと」の教育 : ピアカウンセリングとその効果
- 描画にみる都内インターナショナルスクールの中学生の幼児期の楽しみ経験
- 幼児期の友達との「たのしみ経験」の人数 : 1920年代から1980年代の推移
- 親からみた3歳児の「たのしみ」とその要素
- 老人ホームにおけるMRSA対策
- 161 幼児期「たのしみ」経験とその分類 : 性差を中心に
- 160 幼児期の「たのしみ」経験とその分類 : 世代差を中心に
- 再発あるいは転移の告知をうけた術後高齢がん患者の希望
- グループホームに入居している認知症高齢者と他の入居者、ケアスタッフとの相互作用
- 高齢者の可能性をひきだす看護(シンポジウムII「高齢者の可能性をひきだす看護」,日本老年看護学会第9回学術集会)
- 老年看護における高齢者観の再考
- 高齢者のヘルスプロモーションと看護(日本老年看護学会第4回学術集会)
- 健康高齢者におけるDEXA法を用いた骨密度とフローサイトメトリーによる尿中顆粒球内Caイオン濃度の測定
- 長野県看護大学における新しい大学説明会の試み
- 在宅介護者のソーシャルサポート : 測定尺度開発の試み
- 124 幼児期の「たのしみ経験」と費用(金)との関係
- 122 中学生の思い出す幼児期の「たのしみ経験」
- 高齢者ケア施設の看護職による医療処置を安全・確実に行うための工夫と経験した危険な場面の特徴
- 看護管理者研修(ファーストレベル)受講者の意識調査--フォローアップ研修の必要性の視点から
- 高齢者のヘルスプロモーション--高齢者の長寿信念に対するグループアプローチとその効果
- 農村地域における高齢者の死に対する認識
- 自己理解をめざす体験学習の効果的な展開--継続教育における事例 (特集 看護の新しい技法)
- 125 3歳児の「たのしみ経験」の分類 : 何を・どこで・誰と