再発あるいは転移の告知をうけた術後高齢がん患者の希望
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概要
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本研究の目的は,再発あるいは転移の告知をうけ手術をした高齢がん患者の希望を明らかにし看護援助のあり方を検討することである.再発あるいは転移の告知をうけ手術をした高齢がん患者4名を対象に,退院直前,退院1〜2週間後,退院3〜4か月後の時期に半構成的面接を行った.データを分析した結果6つのカテゴリーと8つのサブカテゴリーが抽出された.退院直前は,《医師に従い生きていく》《ゆとりをもち生きていく》《精一杯生きていく》,退院1〜2週間後は,《医師を信じて生きていく》《自分の生き方を見つけていく》,退院3〜4か月後は,《自分の力で生きていく》という希望をもっていた.高齢者は,過去を振り返りその体験を研究者に語ることで,長い人生の中で遭遇した苦難や辛さを乗り越えてきた自分の力に気付き自分を評価していた.高齢者が《自分の力で生きていく》という希望を抱くには高齢者の人生の語りを真剣に聴くという看護援助の重要性が示唆された.
- 日本老年看護学会の論文
- 2004-11-01
著者
-
奥野 茂代
長野県看護大学
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山田 理絵
金沢大学 大学院医学系研究科保健学専攻
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奥野 茂代
日本老年看護学会認知症高齢者看護認定看護師検討委員会
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奥野 茂代
長野県看護大学 大学院博士後期課程
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山田 理絵
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻
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