ミッドサイズな符号長に適した消失訂正符号の提案とクラウドコンピューティングでの高速データ転送への適用(ポストIPネットワーキング,ネットワークモデル,インターネットトラヒック,TCP/IP,マルチメディア通信,ネットワーク管理,リソース管理,プライベートネットワーク,NW安全性及び一般)

概要

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本論文では,ランダムに生成した有限な行列を用いた,排他的論理和演算(XOR)ベースの消失訂正符号を提案し,特にデータ転送に適した行列を長時間のシミュレーションにより求め適用した結果について報告する.今回提案する消失訂正符号の行列は要素が0か1である2値の行列であるが,疎な行列ではなく,行列中の1の数の割合が0の数の割合よりも大きい行列を用いている.一般的にLDPC符号で用いられる行列は行数が数千行であるが,本符号では演算時間とオーバーヘッドが実用的な値となる1000行程度の行列を用いている.LDPC符号などでは行数が大きい場合に最適な行列を求める方法は見つかっていないため,我々は長時間のモンテカルロシミュレーションを行ない,その結果の中で,最もオーバーヘッドの小さい最適な行列を求めて用いている.典型的なLDPC符号において1000行の行列を用いた場合のオーバーヘッドの値は1.07であるのに対して,我々の符号では1.002である.今回我々はこの消失訂正符号をファイル転送やクラウドコンピューティング環境でのデータ転送の高速化に適用し,従来の転送方法に比べて2倍から4倍の高速化を実現した.
2009-09-03