高バンド幅高遅延ネットワークにおけるマルチパスを用いた高信頼通信手法の実現(ディペンダブルネットワーク・分散システム,<特集>ディペンダブルコンピューティング論文)
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概要
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ミッションクリティカルな分散コンピューティングでは,パケットロス率が小さく,障害に強い通信が要求される.そのような高信頼通信を実現するために,マルチパスを用いた通信手法が研究されてきた.これは,通信パケットを複製し,それらを異なるパス経由で転送させ,目的ノードでそれらをマージする手法である.マルチパス手法では,あるパスでパケットロスが起きても,他のパスからそのデータがやってくれば,再送を行うことなく,パケットロスを回復することができる.高バンド幅高遅延ネットワーク間でデータ通信を行う場合には,パケットロスによる通信性能の低下が著しいため,このような遅延に影響されない高信頼化通信は有効である.ギガビットクラスのネットワーク上で高信頼通信を実現するために,我々の開発したネットワークテストベッドGtrcNET-1上に,マルチパス手法を実装した.本実装によりパケットロス率の比較的高い高速ネットワークであっても,マルチパス手法を適用することにより高い通信性能を維持できることを確認した.更に,利用しているパスの転送性能などを受信側から送信側にフィードバックする改良手法を適用することにより,途中のパスで転送性能の低下が起きた場合でも高信頼通信を維持できることを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-08-01
著者
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児玉 祐悦
産業技術総合研究所グリッド研究センター
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工藤 知宏
産業技術総合研究所グリッド研究センター
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清水 敏行
産業技術総合研究所グリッド研究センター
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児玉 祐悦
(独)産業技術総合研究所
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児玉 祐悦
産業技術総合研究所情報技術研究部門
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児玉 祐悦
産業技術総合研究所
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工藤 知宏
産業技術総合研 情報技術研究部門
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