日本企業の中国における研究開発のグローバル化 -日産自動車の事例-
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概要
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本研究は,日本企業の中国における研究開発のグローバル化によるイノベーション(グローバル・イノベーション)の戦略的プロセスや組織的メカニズムを日産自動車の事例にもとづいて解明したものである。分析の結果,次のようなことが明らかになった。 日産自動車の中国におけるグローバル・イノベーションの戦略的プロセスでは,ローカル・シナジーにもとづく行動が多くみられ,グローバル・シナジーにもとづく行動はあまりみられなかった。しかし,今後は現地部品の活用方法や原価低減の方法など,研究開発方法に関する中国で蓄積された研究開発資源が,特にインドなど他の発展途上国での有効性が高くなる可能性があり,今まで以上にグローバル・シナジーにもとづく行動が必要なことが判明した。日産自動車の中国におけるグローバル・イノベーションの組織的メカニズムでは,戦略的プロセスを支えるための組織体制,情報交換、および意識改革などに関する組織的メカニズムの重要性が明らかになった。 また,本研究により、国際経営(論),研究開発(論),および経営戦略(論)に関するいくつかの理論的,実践的含意を得ることもできた。
- 北海道大学の論文
- 2009-12-10
著者
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