日本多国籍企業の中国における研究開発活動-全体像の分析-
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概要
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本稿は,日本多国籍企業の中国における研究開発活動の全体像を分析することを目的としている。 最新のデータを用いて,中国での研究開発活動の全体像を分析した結果,主に次の5点が明らかになった。第1に,日本多国籍企業による中国での研究開発拠点の設置は,1980年代末からはじめ,2004年にピークを迎え,拠点数は着実に増加していた。第2に,研究開発拠点の業種分布(製造業)は,電機,機械,化学,自動車,精密機器の拠点数が上位5位になっていた。また,業種ごと時期ごとに設置ペースは異なっていた。第3に,研究開発拠点の地域分布は,上海,北京,江蘇の3つの地域に集中しているが,2000年以降,遼寧,天津,山東,陝西,湖北などの地域へ拡大する傾向があった。第4に,研究開発拠点の規模は全体的に小さいが,2005年以降は大規模な研究開発拠点が増加していた。第5に,日本多国籍企業の中国での研究開発拠点の出資比率は,特に1992年以降は100%出資が多くなっていた。 以上の通り,本稿では,近年の日本多国籍企業の中国における研究開発活動の全体像を明らかにしている。
- 2009-09-10
著者
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