代数的アプローチと遺伝的アルゴリズムの組み合わせによる計測不能変数を含むネットワークのパラメータ最適化(システムバイオロジー,システムバイオロジー,一般)
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概要
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実験計測技術の限界や倫理的問題など様々な理由から、細胞内のネットワーク構成分子のうち、少数分子に関してのみ計測が可能な場合がある。このような場合、少数分子の時系列計測データのみから、ネットワーク全体の反応パラメータを推定する問題、いわゆる計測不能変数を含むネットワーク動態解析、は一般に困難である。我々は、この問題を克服するための試みとして、代数的アプローチを導入した。ネットワークモデルを記述する微分方程式から、代数手法の一つである、Differential Elimination、によってパラメータ間の束縛条件を導出し、この束縛条件を遺伝的アルゴリズムによるパラメータ最適化に採用した。4分子の内1分子のみが計測可能なネットワークを想定し、そのシミュレーションデータについて、束縛条件を考慮する場合としない場合で遺伝的アルゴリズムによりパラメータ最適化を実行した。その結果、考慮しない場合はパラメータすべてについて正しく推定できなかったが、考慮した場合はすべて推定できた。初歩的な解析ではあるが、Differential Eliminationの利用による束縛条件を考慮した遺伝的アルゴリズムは、計測不能変数を含むネットワーク動態解析の有用な手法の一つと考えられる。
- 2009-07-30
著者
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