ピラミッド型電波吸収体からの回折波の理論計算(マイクロ波フォトニクス技術,一般)

概要

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電波暗室の内壁に広く用いられるピラミッド型電波吸収体からの反射波は、その周期長と入射電磁波の波長の関係から高次の回折波を生じることが知られている。しかし、高次モード回折波のシミュレーションによる定量的な解析は、特に斜入射においてはほとんど行われていない。一方、電波暗室内における電磁波の分布を知ることは測定上重要であり、マイクロ波からミリ波での電波暗室内散乱波の電磁界分布の評価が行われている。この目的のため、ピラミッド型電波吸収体からの高次の回折波(散乱波)の様子を調べることは、今後、高周波数での電波暗室の解析、設計を行って行く上で重要である。本報告では、FDTD法により周期構造を持つピラミッド型電波吸収体からの回折波をシミュレーション計算した。計算結果の電磁界をフーリエ変換することにより、高次モードの回折波の振幅係数を取得し、定量的な評価を行った。本報告の手法により、電波吸収体からの回折波を計算することが可能であり、今後、高周波数における電波吸収体および電波暗室の解析設計を行っていく上で有効と考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2009-07-23