自由空間法の測定における基準金属板の湾曲の影響の理論的・実験的検討(電磁環境・EMC)
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概要
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本論文では, 電波吸収体の測定に広く用いられている自由空間法の基準金属板の湾曲が測定値に及ぼす現象について実験及び数値シミュレーションにより検討した. まず, 様々な鋼板の配置と入射角の条件において, 自由空間法により厚さ2mm及び5mmの鋼板の反射係数を測定した. その結果, 5〜8GHzにおいて, 本来, 0dBになるべき基準の反射係数が, 鋼板配置により-2.5〜+1.5dBの範囲で変動することを確認した. 回転対称な配置での反射係数の差は±0.3dBの範囲に入り, 実験の再現性及び測定系の相反性が成立することを確認できた. 次に, 三次元座標測定機により鋼板の高さを測定し, 鋼板表面に3mm p-p程度の凹凸面があることを確認した. そして, 物理工学近似により, 測定した鋼板の湾曲を考慮に入れた自由空間法の数値シミュレーション計算を行い, 数値計算においても鋼板の配置方向により反射係数が異なり, 実験値とよい一致を示すことを確認した. また, シミュレーション計算により鋼板の湾曲を小さくした場合の計算を行い, 湾曲の大きさと誤差の関係を調べた. 最後に, 受信アンテナの角度を変化させた場合のシミュレーション計算を行い, 実験で得られたθ方向の散乱特性と比較した結果, よい一致を示した.
- 2005-08-01
著者
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西方 敦博
東京工業大学教育工学開発センター
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青柳 貴洋
東京工業大学教育工学開発センター
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青柳 貴洋
東京工業大学
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西方 敦博
東京工業大学
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齋藤 章彦
大同特殊鋼(株)技術開発研究所
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齋藤 章彦
大同特殊鋼株式会社技術開発本部電磁材料研究所
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齋藤 章彦
大同特殊鋼
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西方 敦博
東京工芸大学教育工学開発センター
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