2003年以降における中小企業の経営財務面での動きをめぐって : CRDの分析結果から
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概要
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本論文では、中小企業の経営財務データベースであるCRDに蓄積されている個票データのうち1997年から2006年までの10年間、継続的に利用することが可能となっている14万社のデータを利用して2003年以降、日本の中小企業の経営財務状況がどのような変貌を遂げたのかという問題について分析検討した。その結果、2002年以降の景気回復過程のなかで中小企業経営においては規模・業種面で二極分化の動きが進んだほか、地域間の経済格差も拡大したことが初めて計数的に見出された。この事実は、グローバル化、情報化という日本経済を取り巻く環境変化とともに日本の中小企業も厳しい試練に直面していることを意味しているが、それと同時に、グローバル化などの流れをうまく利用できれば企業業績をさらに伸張させうる余地があることを示唆している。政府においては、本稿で明らかになった中小企業の経営財務の実態や規模間格差について十分留意のうえ、これまで以上にきめ細かな中小企業政策の策定・実施が期待される。
著者
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