マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いたシミュレーションモデルのパラメータ推定 : ベイジアンキャリブレーション入門(<特集2>始めよう!ベイズ推定によるデータ解析)
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概要
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野外で得られる生態学のデータは複数の因果関係・プロセス・誤差を含み、複雑な構造を有している。その中から知りたい情報を抽出するためには、適切なモデリングが必要不可欠である。シミュレーションモデルは複雑なプロセスであっても直感的なモデリングが可能であるため、保全・管理などの応用的な分野において広く用いられている。しかし、(1)パラメータ数が膨大になる、(2)実測データにもとづいた適切なパラメータ推定が難しいという2点から、その有効性を疑問視する見方もある。近年、シミュレーションモデルの持つこのような弱点を克服する強力な手法として「ベイジアンキャリブレーション」が提案されている。ベイジアンキャリブレーションとは、MCMCなどのベイズ推定の手法を用いて観測データからモデルのパラメータを推定する手法である。本稿では、ベイジアンキャリブレーションの有効性を個体ベースの移動分散モデルを事例に示す。
- 2009-07-31
著者
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山道 真人
総合研究大学院大学生命共生体進化学専攻
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角谷 拓
国立環境研究所
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角谷 拓
環境研
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山道 真人
総合研究大学院大学
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山道 真人
コーネル大学生態学進化生物学部
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角谷 拓
国立環境研究所生物・生態系環境研究センター
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