生物の在・不在データをあつかう発見率を考慮した統計モデル
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概要
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生物の在・不在データは、個体数などと比べて比較的データの取得が容易であり、広域における生物の分布範囲を記述するためによく用いられる。しかし、現実の調査においては、本当は生物が存在している場所を誤って存在していないとしてしまうことがしばしば起こる。このように、対象生物の発見率が常に1とは限らないという現実を無視したまま、生物の空間分布を記述する統計モデルを構築すると、その推定結果には重大なバイアスが含まれてしまう可能性がある。本稿では、生物の在・不在データを対象とした統計モデルとして最も一般的なロジスティック回帰をとりあげ、その考え方やパラメータの推定方法について概説する。その上で、例題を交えながら発見率を明示的に考慮するようにモデルを拡張する方法について解説する。さらに、今後新たに広域において生物の空間分布情報を取得する際の調査デザインを策定する際の注意点についても述べる。
- 2010-05-30
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