NPOとの協働によるCSRの実践(第3報告,第2セッション【CSR】,日本企業の経営実践と経営教育)
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概要
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50年代以降CSRの議論は順調に進化したわけではなく、山あり谷ありの経過をたどってきた。そして最近企業のCSR活動として注目されているのがNPOとのクロスセクター協働である。B.Gray(1985),S.Waddock(1989)によって先鞭をつけられた社会的協働論は、2000年以降クロスセクター協働論として定着しつつある。クロスセクター協働を、(1)エゴセントリック(アームレングス)型協働、(2)相互補完型協働、(3)新価値創造(ソーシャル・イノベーション)型協働に区分すると、多様な組織が相互に自らの資源を提供することで社会課題を解決し新しい価値を創造するような新価値創造(ソーシャル・イノベーション)型協働のケースも多い。企業のCSR実践をNPOとの協働から考えると、企業の社会貢献活動の受け皿としてのNPO、企業に対する監視役や批判者としてのNPO、企業にはない独自性や専門性を発揮することで企業のコアビジネスでの貢献を果たすNPO、というレベルが考えられる。21世紀以降各地で進められている企業とNPOの協働を通じてのCSRの実践のケースからわかることは、CSRの本質はNPOを通じて社会を取り組むことであり、企業とNPOが協働的優位性を発揮することで社会的イノベーションを促進することがますます重要になってきていることである。
- 2009-06-26
著者
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