ろう学校高等部生徒のアイデンティティ発達支援プログラム

概要

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本研究では、ろう学校高等部生徒を対象としたアイデンティティ発達支援プログラム作成を試みた。ろう学校高等部生徒のアイデンティティを発達させるプログラムとして、自分自身がもつ文化に新たな文化と出会い(接触)、葛藤・ショックなどの体験を経て、自分と相手を受け入れる(統合)という過程によるアプローチが必要ではないかと考えられ、異文化心理教育のWAKSASモデルを参考にして5回にわたるプログラムを作成した。第1回はすごろくゲームによる自己理解のワークショップ、第2回はマイノリティ体験のワークショップ、第3回は二者択一体験によるワークショップ、第4回はロールプレイ体験によるワークショップ、第5回は統合的ワークショップというプログラムである。結果として、大きな変化をもたらすことはできなかったが、自分のさまざまな気持ちに気づくことができた。また、他者の過去を聞くことによって、自分や他者のことを改めて理解できたことが考えられた。アイデンティティの発達段階はこれまでの教育・生活環境によって異なるため、プログラムのあり方も検討の必要があるのではないかと考えられた。
日本特殊教育学会の論文
2007-09-30