アルコールおよび燃焼炎を用いたダイヤモンド合成(<小特集>バルク成長分科会特集-機能性材料ダイヤモンド-)
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概要
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気相からのダイヤモンドを合成する方法であるCVD法(化学気相堆積法)についての解説である.従来は炭化水素のガス(例えばメタン,CH_4)と水素(H_2)を混合し,加熱やプラズマを使い,励起・分解してダイヤモンドを基板上に成長させている.しかし,ここでは原料にメタノールを用いると,キャリアガスとして水素を使用せずに,ダイヤモンド結晶を合成する基本的な考え方,合成装置について述べている.本方法は常圧で,ダイヤモンド合成が出来ること,装置もガラス瓶3本で構成されており,広く普及を図れば,高校生への理科教育の啓蒙活動の一助になるものと思われる.この簡易ダイヤモンド合成装置は簡単,安価(数百円),安全の特徴をもっている.また,ダイヤモンド合成の基本を見直し,そこから示唆されたアイディア(燃焼炎はプラズマである)を活かし,大気中でダイヤモンド結晶を合成する新たな燃焼炎法についても紹介している.ここでは,3000℃のアセチレン-酸素炎を用い,ガス流量比(O_2/C_2H_2)が0.8〜1.0,基板温度が500〜850℃の範囲で,基板(Si,Moなど)上にダイヤモンドが高速成長(数10μm/h〜100μm/h)する事を見出した.得られたダイヤモンドはSEM観察,ラマン分光により評価した.この燃焼炎法は,高速成長,大面積化,装置の構成が簡単,安価などの特徴を有していることから,多くの研究者が関心を持つことを願う.
- 2004-11-30
著者
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