当事者参加型フィールド授業が当事者に与えるナラティブセラピー的効果

概要

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本研究は、「当事者参加型フィールド授業」に参加した当事者(内部障害者)にとって、授業参加がどのような影響を及ぼしているのかを明らかにした。当事者にインタビューを行い、グランデッド・セオリー・アプローチにて分析を行った。その結果、当事者は授業参加前には、普段の生活の中で《内部障害者としてのマイナスの主観的体験》をしており、それが《内部障害に対する学生の理解への不安》をもたらし、《自己の語りに対する不安》を感じていた。しかし、フィールド授業において当事者は、《内部障害者としての自覚と責任》と《内部障害に対する学生の理解への期待》をもって、内部障害者の生活を語っていた。そして、学生の学習態度や感想から、新たな《内部障害に対する学生の理解への要望》が出され、《自己の語りに対する満足》や《障害への自己受容の深まり》を感じ、《フィールド授業参加によるエンパワメント》を受けていることが明らかになった。当事者参加型のフィールド授業は当事者にとって、ナラティブ・アプローチとして有用な効果があることが明らかになった。
大阪健康福祉短期大学の論文