大気汚染濃度推定のための上層の大気安定度と鉛直方向乱流強度との比較 : 東海村の1992年の夏と冬
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来の環境アセスメントでは、火力発電所等の高煙突からの排煙による大気汚染濃度を推定する際に、「上層の大気安定度」とPG図が使われている。これは地上気象観測によって得られる地上の大気安定度を中立側に一階級程度ずらしてPG図の拡散パラメータを使う方法であるが、これまでに沿岸地域における上層の大気乱流の実測値との比較という観点での検証は必ずしも十分にはなされていない。そのため、ここでは、地上から300mまでの鉛直方向乱流強度の観測値によって上記の従来法を検証することを試みた。解析データは茨城県東海村の1992年の夏と冬のそれぞれ14日間、昼夜毎時のドップラーソーダーの風向、風速および鉛直風速成分の標準偏差データである。研究の結果、上記の「上層の大気安定度」の設定方法は、東海村では、冬の不安定条件で地上150m以下を除けば、長期平均濃度推定の場合にほぼ妥当であることがわかった。
著者
関連論文
- 静岡地方気象台のウインドプロファイラで観測された2003-2007年の上層風
- 茨城県東海村における原研のドップラーソーダで観測された1991-1992年の上層の乱流強度
- パーフルオロカーボンとSF_6との比較拡散実験
- 低い煙突実高で高い有効煙突高の場合の正規型プルーム式に適用する上層風向の観測高度について : 沿岸地域の夜間の場合
- 茨城県東海村における1991年の秋,1992年の春,夏,冬の上層風
- 河口湖付近の上層風の統計解析
- 関東地方における突風率の推定法
- 近畿地方における突風率の推定法
- 大気汚染濃度推定のための上層の大気安定度と鉛直方向乱流強度との比較 : 東海村の1992年の夏と冬
- 茨城県東海村における1981年8月の海風の高度別流線と鉛直シアー
- 茨城県東海村の沿岸地域で観測された海風の鉛直分布
- 酒田または秋田における黄砂日の後進型流跡線
- 茨城県東海村における1992年の夏と冬の上層風
- 静岡の上層風の統計解析
- TIBLによるフューミゲーション時の地上主軸濃度の平均値に適用するブルームモデルについて-TOKAI82〜83大気拡散実験データの解析-
- 熱的内部境界層によるフューミゲーション時の地上最大濃度出現地点の特徴
- 熱的内部境界層の高度を表すGarratt(1992)の式の感度解析