I1 塩野直道の関数教育に関する研究 : 『尋常小學算術』を対象として(I.【数学教育史】,論文発表の部)
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概要
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昭和10年から、塩野直道が、『尋常小學算術』の出版を始めたとき、それまで強く叫ばれていた「函數思想」は「數理思想」の一面として位置付けられた。この「數理思想」は、小学校では「數理思想ノ開發」、中等学校では「數理思想ノ涵養」、専門学校では「數理思想ノ発揚」と発展していく。しかしこのことは逆に、関数教育の姿を見えにくくさせた。そこで本稿では、まず研究の第1段階として、「數理思想ノ開發」のもとで行われた関数教育はどのようなものであったかを、より実際に近い形として、児童が使用した教科書を分析することにより、明らかにすることを目的とした。その結果、『尋常小學算術』における関数教育は、社会および自然事象の関数やグラフを基盤として、基礎的な関数(正比例・反比例)を教えるという方向を取り、その過程を通して、数量間の関係の理解を深めるものであることが明らかになった。
- 社団法人日本数学教育学会の論文
- 2003-10-18
著者
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