台湾で採集されたグンバイムシと全既知種のチェックリスト(西太平洋における島弧の自然史科学的総合研究 第1期:台湾およびフィリピン)
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概要
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国立科学博物館によるプロジェクト「西太平洋における島弧の自然史科学的総合研究」その他の調査で得られた台湾産のグンバイムシから,4未同定種を含めて13属24種を記録した.うち,Agramma japonicumは台湾からの初記録となる.また,Ulonemia assamensisの寄主植物Helicia formosana(台湾名:山龍眼)も新しい知見である.同定できた20種のうち,7種が台湾固有種,7種が東洋区系の種,4種が旧北区系の種であり,残りの2種は分布域が狭くその起源を推定できなかった.このような種構成は,台湾の地史と生物地理学的位置,すなわち,これまでアジア大陸あるいは他の大きい島と陸続きになったことがなく,東洋区に属しながら旧北区との境界に近く位置していることをよく反映していると考えられる.台湾のグンバイムシ相はこれまで十分に調査されておらず,チェックリストに示したように,わずか48種が知られるのみである.台湾の昆虫相は一般に日本のそれより多様性が高いので,日本産グンバイムシの既知種が約70種あることからみて,調査が進めば相当数の新発見があるものと期待される.
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