古地磁気学からみた柵累層の火山地質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
古地磁気学の基礎にたって,柵地(しからみ)域の火山地質はつぎのように要約される:1.主として火山噴出物からなる柵累層の堆積物は,向斜軸の両側において,一ようには堆積しなかったものと推定する.はじめ,向斜の西翼で火砕岩類は厚く堆積したが,つぎの段階では,東翼において火砕岩類の厚い堆積があった.そして第3の段階では熔岩や貫入岩,凝灰岩などをともなった粗粒の堆積物(柵累層の頂上礫岩)が,向斜軸の近くに発達した.2.火砕岩類のなかには,塊状熔岩がみとめられる(写真).3.柵階の堆積物を構成する物質は,少量のソレアイト岩系列と交錯したしそ輝石質岩系の火山活動に由来した火砕岩類によって特徴づけられている.火山作用はつぎの表のようにまとめられる.これは,中新世後期から鮮新世,あるいは,おそらく鮮新一洪積世にいたる古地磁気学的方向の変化にもとついてあらわされている.なお,古地磁気学的方向の変化の機構を説明するような原因,というような根本的な問題は未解決であるが,古地磁気学的な対比は,地質を論ずるばあいに有用な手段であると思う.
- 1960-07-25
著者
関連論文
- 古地磁気学からみた柵累層の火山地質
- 岩石磁気による諏訪湖周辺鮮新世火山岩類の研究
- 第1次南極地域観測隊地磁気部門報告
- 九州北部,英彦山地域の後期新生代火山活動 : とくに黒岩山・障子ヶ岳周辺の地質構造について : 第三紀
- 九州北部,英彦山地域の後期新生代火山層序および地質構造
- 長野市北東部の新生代層
- 信州における第四紀の火山活動
- 49A. 角閃石晶出作用のマグマ進化への役割(日本火山学会1986年度秋季大会)
- A49 角閃石晶出作用のマグマ進化への役割
- 1. 溶岩の記載とその成因(VI. 秋田駒ケ岳 1970-71 年噴火の噴出物)
- 25. 秋田駒ケ岳 1970 年活動の岩石学的研究(日本火山学会 1971 年度春季大会講演要旨)
- 8. 長野県戸隠火山岩類からの早期高アルミナ玄武岩(日本火山学会 1969 年春季大会講演要旨)
- 38. 天然ガラスの熱実験的研究(日本火山学会 1968 年秋季大会講演要旨)
- 長野市貉郷路安山岩体の鉱物組成と化学組成とくにその成因的考察
- 長野市貉郷路安山岩体の化学組成と鉱物組成 : 1960年度春季大会プログラム
- 柵層の火山岩類 : 1957年秋季大会講演要旨
- 後期猿丸階における火山活動,とくに古飯繩火山活動について : 北部フォッサマグナの下部最新統火山岩類
- 美ケ原熔岩の自然残留磁気について第II報
- 美ケ原熔岩の自然残留磁気について(序報)
- 火山岩中における斜長石の大きさ : 成分関係について : 1958年秋季大会講演要旨