1.静岡県防災情報研究所の設立とその背景
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
阪神・淡路大震災を契機として、国においては30年ぷりに防災基本計画を改定し、新たに地震防災対策特別措置法を制定して、地震予知観測体制の拡充を進める一方、全国を網羅する震度情報ネットワークの構築等の対応を行い、また、地方公共団体においても、地震対策への積極的な取組が始まった。このように全国的に地震対策が再構築される中で、昭和51年の東海地震説発表以来20年余にわたって地震対策を進めてきた静岡県に対して、その成果や具体的な地震対策の推進方法などの広範にわたる防災情報について、国、地方公共団体、一般企業、さらには官民の研究機関などから広く提供が求ゆられている。静岡県は大震災から県民の防災意識のさらなる高揚と、防災対策の一層の促進の必要性を痛感し、防災、特に地震防災に係る調査・研究や官民の研究機関との自由で広範な情報交換と交流のための専門機能を有し、同時に企業・地域・家庭への防災指導や、各分野における個々の状況に応じた啓発教育を打うなどの、多様な事業実施機能を有する静岡県防災情報研究所を平成8年4月に設立した。研究所の主な事業は地震防災に関する調査研究、宏観異常現象の収集、地震防災ネットワークの構築、地震防災公開講座の開催、静岡県地震防災センターの管理運営などである。そのうち宏観異常現象の収集には重点を置いている。東海地震にも宏観異常現象が出現する可能性があることは否定できず、過去の事例や現象を整理し特性を明らかにするとともに、一般住民に対し宏観異常現象を感知、または確認した場合、当研究所まで連絡されるよう広報している。また、前記の各事業の成果や今までの静岡県の知見、提言や蓄積された情報、さらには具体的な地震対策の推進方法などを研究所の日的に沿った形で実現していくために、地震防災ネットワークの構築にも積極的に取り組んでいる。
著者
関連論文
- 3) 富士川河口断層帯入山断層系に関する調査
- 危機管理における計測制御技術による意思決定支援の課題 -阪神・淡路大震災の経験と今後の危機管理-
- 25. 中小都市の上水道における地震対策の戦略
- 1.静岡県防災情報研究所の設立とその背景
- 静岡県の地震対策 (第11回日本計算機統計学会シンポジウム報告)
- 地震防災ネットワークの構築と課題--伊豆半島東方沖群発地震関連ホームページの情報提供から
- 静岡県の地震対策
- 宏観異常現象の収集
- 静岡県地震防災センタ-の起震室の概要と体験 (地震の疑似体験)
- 阪神・淡路大震災を教訓とした地震対策 : 300日アクションプログラムの策定
- 東海地震の前兆現象を求めて--(財)静岡県防災情報研究所の設立とその背景
- 29. 阪神・淡路大震災を教訓とした東海地震対策の見直し : 静岡県地震対策300日アクションプログラム
- 16. 民間事業所の地震防災応急対策アンケート調査と企業防災
- 相良および上坂地殻変動連続観測施設の概要
- 平成10年10月11日清水市の体積歪計異常値報道に関する県民対応
- 「藤枝市内に設置された体積歪計異常値報道」に関する住民意識調査について
- 11. 雲仙普賢岳噴火災害による避難から得た教訓
- 10. 静岡県内における地震予知観測態勢と地震活動との関連
- 71. 静岡県内市町村の県外自治体間との災害相互応援協定締結について(XII. 被害予測と緊急対応 その5,第XIIセッション,第8回(平成10年度)地域安全学会研究発表会)
- 宏観異常現象の収集とその状況
- 静岡県内市町村の県外自治体間との災害相互応援協定締結について
- (財)静岡県防災情報研究所の設立とその背景
- 防災対策における市町村長の役割
- 防災対策と市町村長の役割
- 74. 平成9年2月26日「藤枝の体積歪計変化報道」に関する住民意識と行政対応(XI. 一般論文等 その5,第XIセッション,第7回(平成9年度)地域安全学会研究発表会)
- 静岡県の自主防災組織活動の育成方策について
- 平成9年2月26日「藤枝市の体積歪計変化報道」に関する住民意識と行政対応