22. 奥尻町における住宅再建過程

概要

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1993年7月に発生した北海道南西沖地震後2年を経過した最大の被災地である奥尻町青苗地区では、防潮堤及び盛土工事が進められ、新しい造成地に住宅の建設が始まっている。被災した住民にとって住宅再建は重大な関心事であり、復興計画の策定過程においては、応急仮設住宅の期限の問題も絡んで、住宅再建計画が調整されるまでには多くの時間を要した。被災者への住宅対策は、短期対策としては、応急仮設住宅の建設、中期(長期にもあたる)対策として、災害公営住宅の建設、そして長期対策として、個人住宅の建設促進のための融資や助成対策のほか建設工事に係る対策などがある。本報では、奥尻町青苗地区における個人住宅の再建に係る行政対策の経緯、住宅建設状況調査などを基に災害復興計画上の問題点、課題について次のような結果が得られた。災害後2年を過ぎて個人住宅の再建のピークを向かえているが、復興計画において描かれていたものとは異なった状況が現れ始めている。これらが将来の地区に及ぼす影響なども検討した上で、今後のまちづくりを進めていく必要がある。また、復興基金は個人の住宅再建の大きな支えになっているが、高齢者の単身世帯や復興基金以外に住宅建設資金方策に見通しが立たない世帯などが、住宅再建に直面するのは、これからの時期になると予想されるため、今後とも意向把握や支援対策を進める必要がある。
地域安全学会の論文

22. 奥尻町における住宅再建過程

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