茶のルーツを探る : 静岡県川根を訪ねて
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概要
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新しい食生活指針では食文化や地域の産物を生かした食生活の実践が提唱されている。本研究では日本人の持つ代表的な食文化の1つである茶に注目し、その資料を収集するため、日本の三大銘茶の一つである川根茶の生産地である静岡県榛原郡川根本町を訪ね調査をおこなった。その結果、1241年、当時、東福寺の開山であった、聖一国師(1202〜1280)によって、静岡県に茶が栽培され、以後、恵まれた立地条件によって大井川流域へも広がり川根茶は誕生した。その後、川根茶はこの地域の貴重な産業となり、1800年代後半以降は外国への輸入も行われ、第一次世界大戦時ではこれまでにない輸出量を記録した。しかし、大戦の終結とともに茶価は暴落し、茶業界は危機を迎えたが、川根茶は粗悪な製茶機の導入の阻止や、手もみ製法を貫くことで、茶の品質を落とすことなくその味わいと伝統を守りぬき危機を乗り越えた。現在、川根地方の茶産業は大規模化し、地域の農林センターや茶業センターによって栽培、生産が行われている。しかし、手もみの技は川根茶を日本一の味に仕上げた製茶の技術として今に受けつがれている。また、川根地方では自園自製で茶の生産をおこなっている地域もあり、中でも藤川地区は恵まれた立地条件と日々の研究により、日本屈指の「やぶきた茶」を生産している。今後も、川根茶はこの地方の主要な産業として発展するとともに、生産者達の努力によって、日本一の銘茶が作られていくと思われる。
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