釧路川水系一支流におけるイトウ(Hucho perryi)の産卵生態 : 2006年の調査における産卵期間,産卵床数およびその分布の特徴
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概要
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2006年に北海道東部釧路川水系の一支流で,絶滅が危惧されている日本最大の淡水魚イトウ(Hucho perryi)の産卵生態調査をおこなった。調査において産卵期間は4月1日から5月7日までの37日間,産卵床は65床,水温は0.9-7.0℃を記録した。北海道中部や北部の河川において本種は4月下旬から産卵を開始し,産卵期間は7日から14日程度,産卵期の水温は3-7℃程度と報告されているが,北海道東部に位置する本研究の対象河川では,北海道中部や北部の河川よりも産卵開始日は3週間程度早く,産卵期間は長期であり,低い水温の時期から産卵していることが観察された。こうした特徴は,北海道中部や北部よりも降雪量が少ないこの地域特有の融雪期の気象条件や河川環境によるものであると推定された。
- 2009-06-15
著者
-
水口 拓真
標津町立川北小学校
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笠井 文考
東京農業大学大学院生物産業学研究科生物産業学専攻
-
田中 俊次
東京農業大学生物産業学部産業経営学科
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夏原 憲子
北見市立常呂小学校
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小宮山 英重
野生鮭研究所
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笠井 文考
東京農業大学生物産業学研究科生物産業学専攻
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田中 俊次
東京農業大学
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