明治初年におけるからくり師の活動 : 明治五-六年大阪滞在期における前原功山を素材に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では幕末の伊予宇和島藩で蒸気機関改良に成功し、洋学者村田蔵六のもとで蒸気船航海をおこなったからくり師前原功山(1812-94)をとりあげ、維新後明治五-六年における彼の大阪滞在期の足跡を追い、その西洋風大型鏡製造の過程とこの間の人脈を探る。主に人物誌的側面、特に彼の後援者であった矢野安芸三郎(生没年未詳)との関係を軸に観察し、鏡製造の一応の成功にもかかわらず功山が宇和島帰郷、帰農することとなった背景である資本力の不足を指摘、また功山の長男喜作の大阪造幣寮勤務の状況から、彼ら独学による技術修得のからくり師が近代的工業技術の前に次第に前時代的性格を深めていく実例を提示することで、その過渡的性格を浮き彫りにしたい。
- サレジオ工業高等専門学校の論文
著者
関連論文
- 現地踏査を生かした地歴教育の事例 : バイカル湖周辺を素材として
- あたらしい技術者倫理像についての一考察 : 日工教ワークショップに参加して
- 古銭の成分分析
- 明治初年におけるからくり師の活動 : 明治五-六年大阪滞在期における前原功山を素材に
- 現地踏査を生かした地歴教育の事例2 : 中国遼寧省を素材として
- 2-325 高専初年次における少人数によるコミュニケーションスキル向上教育の実践 : 初年次配当科目「表現」の現状と課題(口頭発表論文,(3)コミュニケーションスキル教育-IV)
- 十九世紀シベリア東部の都市ヴェルフネウディンスクの経済
- 幕末からくり師と廻船業--前原功山と矢野安芸三郎
- 都市グリュックシュタットの建設
- ハンザ史家ラッペンベルクとその時代
- 通勤交通を考慮した都市空間構造の解析手法の検討--都営荒川線沿線を事例として
- 昭和初年愛知県師範学校における郷土科教育--黒田鑛一の手稿と蔵書から
- バルト三国における博物館展示について--ソビエト領時代を中心に
- 『御曹子島渡』と地理的認識--ちいさご嶋を中心として
- 北海道上ノ国におけるちいさご伝説について
- 16,7世紀北ドイツの一小都市における手工業--ヴィルスタ-について