ラポール維持管理のストラテジー : 交渉場面における「格下げ表現」
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概要
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Helen S. Oatey(2000)の提唱する「ラポール維持管理のストラテジー」は,ラポール(親愛感情)を維持することがポライトネスであるとして,5つの「ポライトネスの領域」によってラポール維持管理がなされるという。そこに挙げられているストラテジーの一つとして「格下げ表現downgraders(緩衝表現とも言う)」がある。このストラテジーが言語普遍的なものであるなら日本語にも適用されるはずである。そこで本稿は「格下げ表現」の7つの項目について日本語の実際例を検討し,「格下げ表現」の認定とその理由を考察した。結果として7つのうち「ポライトネス表示」はポライトネスの定義による相対的なものであること,「おだて」はより広義に捉えるべきであるということ,「控えめ表現」と「緩衝表現」のいずれにもまたがるような日本語表現があるということなどが知見された。
著者
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