情意コミュニケーションの語用論に向けて : "Toward a pragmatics of emotive communication" (Claudia Caffi & Richard W. Janney 1994)の抄訳と日本語への適用
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概要
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本稿はClaudia Caffi & Richard W. Jannyの"Toward a pragmatics of emotive communication" (Journal of Pragmatics Volume 22 (1994))を抄訳し,そこで提案されている装置の日本語への適用を考察したものである。彼らは人の感情を扱った心理学および言語学上の膨大な研究には概念や用語の面で統一性が少なく,一致した理論,分析手法を見出すのは困難であるとして,過去数十年にわたる心理学および言語学における研究を整理した。そして心理学での主たる概念を「評価evaluation/潜在能力potency/活動activity」の3つに分類し,それぞれの概念に通じる言語学のカテゴリーを6つに分類した上,言語学が扱えるものは「外的に表された言語・非言語事象から話者の内的状態を推測すること」と限定して,それぞれのカテゴリーに含まれる言語事象を「情意表現装置」と名づけ具体例を示した。さらにそうした装置が応用されうる分析アプローチ,およびマクロレベルでの情意装置を,情意コミュニケーションの統合的アプローチ発展への資とするべく提示した。
- 同志社大学の論文
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