看護師のスピリチュアリティに関する研究 : PILテストの分析より
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概要
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看護師のスピリチュリティをPILテストの分析より明らかにし,看護師への支援の示唆を得ることを目的とした.対象は,実習指導者講習会参加看護職者42名(平均年齢36.8±5.3歳,看護教育機関勤務者1名他病院勤務者)中研究参加同意の得られた41名である.調査方法は,Purpose-in-Life-Test(Franklのロゴセラピーに基づきJ.Crumbaughらが考案)を使用した分析方法は,20項目からなるPILテストA得点の合計を算出(最高得点140点).各項目は7段階評定尺度で,1項目7点となる.検定はt検定及び一元配置分散分析を行った.その結果,PILA得点平均92.7±14.27点であった先行研究による一般群より有意に点数が低く(P<0.01),人生の意味・目的意識が低い結果である.項目別にみると平均点の高かったものは,9番「私の人生にはわくわくするようなことがいっぱいある」が5.2±1.03点,点数の低いものでは12番「私の生き方から言えば,世の中は非常にしっくりくる」が3.9±1.18点,17番「私には人生の意義,目的,使命を見出す能力が十分にある」が4.0±1.73点であり,両者とも先行研究一般群より有意に低い(P<0.001).看護師は,一般成人より人生の意味・目的意識が低い結果である.また,人生にわくわくするようなことがあると感じながらも,自分の生き方から言えば世の中がしっくりくると思っておらず,自分には人生の意義,目的,使命を見出す能力が十分にあると思っていない傾向がある.今回の対象はほとんどが病院勤務の看護師であり在院日数の短縮によって労働環境が厳しいことが影響しているものと考えられる.日々の業務の中で自らが意味を見出していけるように,労働環境の整備や必要があれば相談できるような窓口を設ける等の支援が必要であると考えられる.
著者
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菊池 和子
岩手県立大学看護学部
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菊池 和子
岩手医科大学附属病院歯科医療センター障害者歯科診療センター
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菊池 和子
筑波大学 医研究
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菊地 和子
岩手県大 看護
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菊地 和子
東京医科歯科大学医学部附属病院 検査
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