学習指導要領の改訂と教職に関する科目「道徳教育」の内容と方法 -戦後道徳教育の歴史的構造を踏まえて-
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概要
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本稿は、大学の教育目的を考慮しつつ、教員の実践的指導力の育成を目指した教職課程の教育内容・方法を開発する研究の一環として、2008(平成20)年3月に告示された新しい学習指導要領を受けて、教職に関する科目のひとつである「道徳教育の研究」の指導上の課題について明らかにするものである。すなわち、本稿では、新しい学習指導要領における道徳教育の内容・方法の改訂が、戦後道徳教育の歴史的展開のなかでどのように位置づくかを明らかにした上で、「実践的指導力」を養成する教職に関する科目「道徳教育の研究」の指導上の留意点を導き出した。その結果、教職に関する科目「道徳教育の研究」の指導にあたっての留意点として、次の3点を指摘することができた。第一に、学習指導要領に示された日本の道徳教育の目標・内容は日本国憲法や教育基本法に掲げられた民主主義的な価値と結びつけて理解させるようにすべきだということである。第二に、道徳教育の理論やそれに基づく教育方法については、理念的な知識・技術の伝達に留まらず、学校教育全体の中に道徳をどのように位置づけていくかといった観点から、教育課程を編成できる能力を身につけさせるようにしなければならないということである。第三に、以上の二点を踏まえつつ、道徳教育の指導に必要な形成的・質的な評価を適切に行っていく意識を高めることが大切であるということである。
- 宮崎公立大学の論文
- 2009-03-06
著者
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