生乳中ノあすこるびん酸量,殊ニ生乳あすこるびん酸 : 酸化酵素ニ就テ
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概要
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生牛乳中ノVitamin C量ニ關スル報告ハ今日迄Schlemmer, Bleyer und Cahnmann (1932), Euler und Klussmann (1933), Birch, Harris und Ray (1933),高井(1935),笠原(1935),慶松,山口(1935),Ferdinand(1936),杉浦(1936)等ニ依リ殊ニ酸化及ビ還元型あすこるびん酸量ト新鮮度等ニ就キ,友井,三宮(1936),Kon u. Watson (1937),是安(1938)ノ報告アルモ其ノ結論的内容ニ於テハ一致ヲミザルモノ多シ.著者ハ生牛乳中ノVitamin C量ノ測定及ビ貯藏法ノ之ニ及ボス影響,低温殺菌装作ノVitamin C量ニ及ボス影響及ビあすこるびん酸酸化酵素ノ生乳ヨリノ分離法ニ就キテ研究セントシ京都市ニ於ケル6牧場ノ新鮮混合乳ヲ各牧場別ニ分チテ總あすこるびん酸,還元型あすこるびん酸及ビ酸化型あすこるびん酸量ヲ50種ノ材料ニ就キテ測定シ冷藏貯藏,室温貯藏及ビ低温殺菌ニヨル變化ヲ實測セリ.更ニ生乳中ヨリノあすこるびん酸酸化酵素ノ分離ニ就キH. Tauber氏法及ビSrinivasan,Johnson及ビZilva法ヲ吟味セリ.其ノ結論的内容ヲ一括スレバ次ノ如シ.1)新鮮牛乳(3-5月採乳材料)ノあすこるびん酸量相互關係ハ何レモ共ノ差異大ニシテ總あすこるびん酸量ハ1.61-3.37mg%(平均2.54mg%),還元型あすこるびん酸量0.67-1.59mg(平均1.08mg%)及ビ酸化型あすこるびん酸量ハ0.61-2.24mg%(平均1.45mg%)ニシテ酸化,還元型兩者ノ百分比的關係ハ56.8:43.2ナリ.2)兩型あすこるびん酸量ハ冷藏貯藏ニ於テモ減少シ48時間貯藏ニ依リ總あすこるびん酸41.7%,内還元型あすこるびん酸量57.0%,酸化型あすこるびん酸29.2%ノ減沙ヲ示ス.即チ還元型あすこるびん酸量ハ酸化型ヨリ急速ニ減少セリ.3)室温貯藏ニ於ケル生牛乳あすこるびん酸量ハ更ニ顯著ニ減少セリ.48時間貯藏ニヨリ總あすこるびん酸ハ60.4%減少シ内還元型あすこるびん酸74.0%,酸化型あすこるびん酸43.3%ノ減少ヲ示ス.即チ室温放置生乳中還元型あすこるびん酸ノ約3/4ハ48時間内ニ破壊セラル.4)低温殺菌装作トシテ63℃30分消毒セラレタル牛乳ノ總あすこるびん酸ハ19.32%減少シ,内還元型あすこるびん酸ノ減少ハ9.58%,酸化型あすこるびん酸ノ減少ハ26.38%ナリ.即チDauerpasteurisationニ依ル還元型あすこるびん酸量ノ減少ハ僅微ニシテ寧ロ酸化型あすこるびん酸ノ減少大ナリ.5)Srinivasan-Johnson-Zilva氏法即チAmmonsulfatニヨリ分離セラレタルあすこるびん酸酸化酵素(Ascorinsaureoxydase)液ハ一般植物組織ヨリ分離セラレタル酵素液ヨリ微弱ナレドモあすこるびん酸酸化酵素トシテノ作用ヲ有シpH5.8ハ其ノ至適水素いおん濃度ナリ.H. Tauber氏法ニヨルあるこほる,あせとんニ依ル酵素分離法ハ生乳酵素分離ニハ不適ナルコトヲ實證セリ.
著者
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