成育ト酵素作用トニ關スル研究補遺 : 第2篇 脂肪分解酵素
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者ハ第1篇ニ於テ記述セル考案ニ基ヅキ,引績キ植物成育ト脂肪酵素トノ關係ヲ檢索セリ.實驗材料トシテハ,朝鮮順川大豆ヲ使用シ,其ノ風乾大豆,日光遮斷時並ニ日光照射時ノ胚種部,幼莖部,幼根部ヲ分チ,一書夜水潤シ,後磨碎シ,適量ノくろろふおるむ水ヲ加ヘ,10%ノえむるじおんヲ作リ,氷室内ニ48時間自家融解セシメクル後,其ノ濾液ヲ酵素液トシテ實驗セリ.緩衝液トシテハ,Sarensenノ枸櫞酸鹽,或ハ硼酸鹽緩衝液ヲ種々ナル水素いおん濃度ニ調製シ,夫々附加セリ.作用基質トシテハ,1.0%ノMonobutylinlosungヲ使用シ,以上ヲ37℃ニ於テ48時間作用セシメタリ.斯クシテ遊離セル酸ヲ規定あるかり液ニテ滴定セリ.實驗成績ヲ總括スレバ次ノ如シ.1.順川大豆ヲ使用シ,其ノ休止種子,日光遮斷時及,日光照射時ノ胚種部,幼莖部,幼根部ノ脂肪分解酵素作用ヲ研究セリ.2.脂肪分解酵素作用ハ休止種子ノミナラズ,日光遮斷時及,日光照射時ノ幼少植物ノ胚種部ニ夫々證明セリ.3.幼莖部,幼根部ニ於テハ何レノ場合ニモ,此ノ作用ヲ認ムル事能ハズ.4.脂肪分解酵素ノ至適pHハ次ノ如シ.休止種子5.5日光遮斷時胚種部6.4日光照射時胚種部6.4尚至適pHハ發芽過程ニヨツテ中性域ニ傾クヲ見ル.5.脂肪分解酵素作用ハ次ノ順序デ減弱ス.日光照射時胚種部>日光遮斷時胚種部>休止種子.脂肪分解酵素活性ハ發芽過程並ニ日光ノ影響ニヨツテ上昇ス.6.Connsteinノ提唱ニ反シ,脂肪分解酵素作用ハ,發育ニ從ツテ減弱セザルノミナラズ,寧ロ増大ス.氏ノ誤謬ハ脂肪分解酵素作用ヲ其ノ至適ニ於テ,檢索,比較セザリシニ基ヅクモノナラン.7.Willstatterノ主張ノ如ク,所謂Samensaureハ脂肪分解酵素ノ活性ニ對シテハ,直接必要ナルモノニ非ズ.其酸性度ハ蛋白質分解酵素作用ニ好條件ヲ與ヘ,脂肪分解酵素ト結合セル蛋白質ヲ分解シ,脂肪分解酵素ヲ遊離シ,共作用ヲ出現セシム.
- 京都府立医科大学の論文
著者
関連論文
- 成育ト酵素作用トニ關スル研究補遺 : 第3篇 蛋白質分解酵素
- ばなな燐酸えすてる分解酵素
- 蛇ノ腎臟及,肝臟ノ燐酸えすてる分解酵素
- 植物發育ニ關スル研究補遺 : 特ニ大豆ノ成熟時期ニ於ケル諸種成分變化ニ就テ
- 成育ト酵素作用トニ關スル研究補遺 : 第2篇 脂肪分解酵素
- 成育ト酵素作用トニ關スル研究補遺 : 第4篇 燐酸えすてる分解酵素
- Beitrage zum Studium uber die Beziehung zwischen Wachstum und Fermentwirkung
- 大豆ノ發育ニ於ケル諸種酵素ノ態度(本學第152回學術集談會)
- 成育ト酵素作用トニ關スル研究補遺 : 第1篇 澱粉分解酵素