結合血糖ノ本態殊ニソノ発酵能ニ就テ
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概要
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血液ヲ鑛酸ヲ以テ加水分解ヲ行フ場合ニハ,遊離糖以外尚還元物質ノ増加ヲ招來スルハ,Figuier以來確證セラレシ所ニシテ,Bierryハ之ニ蛋白糖ノ命稱ヲ與ヘタリ・而シテ之ガ測定ニ關シテハ從來多量ノ材料ヲ必要トシ且ツソノ實驗方法ノ複雜ナルヲ缺點トナセリ.然ルニ最近飯塚教授ハ是等ノ點ヲ顧慮シ血液3.0竓ヲ以テスル微量測定法ヲ考案セラレタリ.之ニヨツテ結合糖ノ研究大ニ刺戟セラレ,生理,病理或ハ臨床方面ニオイテ鮮明トナリシモノ尠シトセズ.然レドモ結合血糖ノ本態ハ現今尚未解決ノ問題ナリ.殊ニソノ醗酵能ニオイテ然リ.現在迄ノ結合血糖ノ本態ニ關スル知識ハ次ノ如ク大別シウベシ.1)結合血糖ノ殆ンド全部或ハ大部分ハ醗酵ス.2)一部葡萄糖トナスモノ3)全然葡萄糖ニアラザル一種ノ糖ナルベシトナスモノ本邦ニ於テモ結合血糖ニ關シテハ2,3ノ文献存スルモソノ醗酵性ニ關シテハ全ク不明也.此種問題ノ解決ハ糖質代謝ノ研究上最モ興味深キモノノ一ナルガ故ニ本實驗ニ着手セリ.ハジメ材料ノ撰擇或ハ實驗方法ノ不完全等ニヨリ再三不成効ニ終リシモ遂ニ以下記述セルガ如キ成績ヲ得タリ.更ニ結合血塘ガハタシテ從來信ゼラルヽガ如ク蛋白質ニ結合セル糖ナリヤ否ヤニ就テ實驗ノ歩ヲ進メタリ.1)瀧ノ川醸造試驗所ヨリノ酵母「酒第2號」ヲ用ヒ血清或ハ蛋白除去濾過液ニオケル遊離糖ヲ測定シタリ.2)結合血糖ハ飯塚教授法ニヨリ測定シ,次イデ直チニソノ醗酵性ヲ實驗シタリ.3)結合血糖ハ平均40.60%(亞鉛末ニヨリ過剩ノ除蛋白劑ヲ取去レル場合)-48.03%(硫化水素ニヨリ過剩ノ除蛋白劑ヲ取去レル場合)ニ於テ醗酵可能ナリ.4)血液内蛋白ヲ除去セザルモ,除蛋白ヲ行フモ遊離血糖ノ醗酵能ニ變化ナシ.5)血清あるぶみん中ニ結合糖ヲ證明シ.然モ輕度ニ於テ醗酵ス.6)結合糖ハ蛋白ト結合シ,一部醗酵能ヲ有ス.
- 京都府立医科大学の論文
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