江戸時代における『古語拾遺』注釈書類について
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概要
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『古語拾遺』の現存諸伝本については、写本の類として嘉禄本を筆頭とする卜部家本系統の諸本と亮順本を筆頭とする伊勢本系統の二種に大別できることが知られており、訓読の観点からも二種には各々特徴的な差異があることが明らかになっている。一方江戸時代〜明治初頃に多く刊行された版本・注釈書については、本文から見た系統付けは行われてきたものの、訓読の観点からの考察はほとんど緒に付いていなかった。今般、九種類の版本・注釈書類を調査し、本文の上では確かに卜部本系統・伊勢本系統に分類できるものの、訓読の観点からは伊勢本系統の特色を明確に継承するものは無く、卜部本を中心とした諸本の訓読を勘案してこれを補う形で訓読を行ったもの、および、全く独自の見識で訓読を行ったもの、の二種がもっぱら見られることが明らかになった
- 放送大学の論文
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