『古語拾遺』の一写本をめぐって
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概要
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ここにとりあげるのは、天明二年の年紀を持つ『古語拾遺』の一写本である。これは、現存最古の伝本として知られる嘉禄本からの転写本と考えられる。全体に書写精度は高いが、散見する誤記や誤写の跡から、本書は、書写にあたって、本文漢字を一文字一文字書き写すのではなく、訓読文を念頭に置きつつ書写していったものなのではないか考えられる。また本書の訓点は、原本である嘉禄本の解釈や内容把握に従いながらも、具体的な個々の加点については、書写当時の漢文訓読のそれに従うことによって注されたものであると考えることができる。
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