台湾紀行
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概要
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日本の基礎文化を探っていく試みとして、日本とアジアを結ぶいくつかの文化交流の道が提唱されている。ここでいう日本の基層文化とは、日本人の間で長い年月にわたって繰り返しておこなわれてきた生活および生産行為であり、具体的には農、漁、猟、商、工といった種々の生産活動や社会生活、それにともなう生産儀礼・先祖崇拝を含めた年中行事や祭りの中に、慣習として定着しているさまざまな行為や技術、ものの考え方、使用されてきた施設や道具類などが対象になる。その中にアジアの各地域と深いつながりを持っているものが少なくないのではないか、と考えられている。現在私が興味を抱いていることは、アジアと日本をつなぐ3本の太い道が想定されていることである。その道は北、西、南からの海上の道であり、北は東北アジア、西は中国大陸、南は東南アジアからやってきた文化が想定されている。今回の報告は台湾を対象にしていることから、南からの文化要素を資料として蓄積し、検討することが主な目的である。台湾では先住民が集住する南東部の屏東地方と台東地方が主な訪問先であった。その中で、屏東地方においては焼畑を含めた畑作と狩猟習俗との関連について、また台南地方では若者を対象にした年齢階梯制、および若者の集団が使用してきた会所とよばれる施設について、加えて両地方において使用されてきた若干の農具に関する報告である。
著者
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