古代の轆轤工と渡来人(II) : うつわの文化史
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概要
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今回は「古代の轆轤工と渡来人(II)」として,「うつわの文化史」をとりあげた。古代において轆轤工が製作してきたものは,主に仏具と容器・食器の類であり,そのうち人々の生活に密着し,また私自身が興味を抱いている研究対象は容器と食器である。「古代の轆轤工と渡来人」というテーマをとりあげた理由は,轆轤工の存在とその仕事の内容を明らかにすることが主目的であり,その過程で轆轤工が主に手掛けてきた食器と容器の歴史をたどることを想定してのことであった。轆轤工が手掛けたものは木製品であるが,木製品は石器や土器に比べると出土率が非常に低く,出土資料や伝世品だけで木器の歴史を語ることは難しい。しかしながら,古代の人々はそれぞれの材質の特性を踏まえた上で土器と木器を組み合わせ,食器や容器,そのほかの生活雑器を使い分けてきたことが知られている。その実態をたどっていくと,主要な食器や容器類は土器類が多用され,土器を補うものとして木器が使われたことが確認できている。現状では十分な資料が集まっているとはいえないが,今回の報告では一試論として「うつわ」を中心とした古代の生活史を概観する。
- 2010-06-30
著者
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