長崎のカステラの色に関する研究
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概要
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長崎のカステラの色について基礎的観察を試みた。試料として長崎市内販のI,B,F,BK,およびS(いずれも略号)などのカステラを用いた。マンセルの表色系による標準色票(JIS)を用いた結果は次のとおりである。表皮(上面)の色相は全試料(I,B,F,およびBK)とも、全面2.5YRであった。明度と彩度はほとんどすべて、それぞれ4と5の値を示した。色調は全般に褐色系の同じ様相を呈した。また、表皮(下面)の色は上面と同じく色相が2.5YRであった。しかし、明度はそれぞれ試料により相異を示した。彩度もそれぞれ相異を示した。内相の色は色相がI,B,Fいずれも全面2.5Y,BKは5Yであった。明度はBとFは同じく、I,BKはそれぞれ他と相異した。彩度はIとBKは同じく、BとFはそれぞれ他と相異し、Fがもっともさえた。内相の色調はI,BKが淡色であった。次に色彩色差計による測定結果は下記のとおりであった。皮表(上面)の色相はI,Bが赤系または赤系寄りの黄赤系褐色で、Fは黄赤系褐色を呈した。明度はFがもっとも高く、Iがもっとも低かった。表皮(下面)の色相はI,B,Fいずれも赤系寄りの黄赤系褐色であった。明度はFがもっとも低く、I,Bはそれぞれ高い傾向にあった。彩度は共通して灰みを呈した。内相の色相はI,Bが黄赤系寄りの黄系黄色、Fが黄系黄色を呈した。明度はFがもっとも高く、Iがもっとも低いか、I,B同程度くらいであった。彩度はB,Fがさえたにぶさを呈した。Sの表皮(上面)の色相は赤系または黄赤系寄りの赤系褐色で、明度はもっとも低く、彩度は灰みを呈した。表皮(下面)の色相、明度、および彩度は上面と同様であった。内相は黄赤系寄りの黄系黄色で、明度はF,Bなどより少し低く、彩度はにぶさを呈した。なお、参考までに鶏卵卵黄の測定と色についても言及した。
著者
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