王弼易学における「上下卦の体例」について I
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概要
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王弼は『周易略例』明彖の中で次の二点を主張している。一つは、特定の一爻(主爻・卦主)が卦義を決定すること(「卦主(主爻)の体例」)の主張である。もう一つは、交を問題にせず上下の卦によって卦義が決定すること(「上下卦の体例」)の主張である。前者「卦主(主爻)の体例」についての検討はすでに終えてある。本稿では後者「上下卦の体例」が、王弼の『周易注』において具体的にどのように現れてくるのかという点について分析を施す。彖傳の上下卦に対する言及の仕方を基準とし、六十四卦を四つのケースに分類して検討を進める。分量が多いために論稿を分割し、このIでは、「ケースA彖傳が上下卦に言及するが爻には言及しない卦」を検討の対象とする。
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