大象に対する王弼易学の態度についてIII
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
王弼易学は、彖傳が卦象より卦徳を重んじる傾向にあるのに従い、卦義を論じる際に卦象を軽視しているといえる。それは、「周易略例』明象における「忘象得意」の主張に典型的に見える卦象軽視の基本的姿勢が具体化されたものであろう。だが、大象は卦象を以て卦義を論じることを重視している。そしてこの大象は彖傳の次に位置しており卦義を論じる際に依拠すべき存在である。卦象を軽視する王弼はこの大象にどのように対応しているのであろうか。本稿は、王弼の大象に対する基本的態度が、卦象軽視と同時に大象の議論を彖傳の議論中に取り込んでしまうことであったことを、六十四卦を分析することによって論じたものである。分量の都合から、このIIIではIとIIで分析したもの以外の二十四卦について検討した。
- 2011-09-30
著者
関連論文
- 王弼易学における「上下卦の体例」について I
- 大象に対する王弼易学の態度についてIII
- 大象に対する王弼易学の態度について I
- 大象に対する王弼易学の態度についてII
- 『韓非子』 解老篇の分析
- 王弼易学における「上下卦の体例」についてIV
- 王弼易学における「上下卦の体例」についてIII
- 王弼易学における「上下卦の体例」についてII
- 王弼易学における彖傳と繋辭傳の意義 : 『周易略例』中の「彖」「彖辭」の解釈を中心として
- 王弼の 『易』 解釈における 「卦主」 について (続)
- 王弼の 『易』 解釈における 「卦主」について ( 下 )
- 「匕首」と「義」 : 『史記』刺客列伝試論
- 暗殺者の哲学:『史記』 刺客列伝の分析-(上)
- 『呂氏春秋』における「公」と「私」:欲望論を中心として
- 王弼易学における「象」について
- 『周易略例』明象における『繋辭傳』と『莊子』の意義
- 王弼の『易』解釈における「卦主」について(中)