「道徳教育の研究」授業の実践について : 中学校「道徳」の学習指導案と発問づくり
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概要
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わが国では、いま道徳意識の低下や社会規範の崩壊が問題になっている。これらの諸現象は必ずしも学校・教師だけの責任ではなく、家庭・地域社会の教育力低下、より広く大人社会や社会的な風潮、あるいは教育政策などの反映である場合が少なくないかもしれない。けれども、学校で道徳教育に携わる教師の責任が全く問われずにすむものでもない。こうした状況に鑑み、将来「道徳」の授業を担当する受講生が、どのような基礎的指導力を身につけておかなければならいかは、教職科目「道徳教育の研究」の課題でもある。本稿では教員をめざす受講学生を対象にした筆者の「道徳教育の研究」の実践を報告する。教職科目の「道徳教育の研究」では、『授業計画』に示すとおり、教職志望をもつ学生が、教員免許法に基づいて修得すべき教職教養として、道徳教育の歴史や子どもの道徳性の発達、さらには『学習指導要領』の内容等について総合的に計画している。受講生は、これらの内容を半期間で習得するのであるが、筆者はより実践的な「学習指導案づくり」を中心とした授業を行う必要を感じ、「道徳」の学習指導案が書けることを「道徳教育の研究」の主要な目標の一つと考えている。なぜなら、学習を構想できなければ、授業はできないからである。特に「道徳」の学習指導案づくりで重要なことは、指導する側の「ねらい」、すなわち「中学生に気づいてほしい、あるいは考えてほしい」ことは何であるかを明らかにし、中学生が「自分とむき合う」道徳の指導とは、どうあればよいかを考えてほしいという点である。
- 摂南大学の論文
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