現代教育改革と学校評価の諸問題
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概要
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現代は、社会活動の諸分野でその成果に関心が集まる評価の時代である。学校経営の分野でも、分権化と規制緩和の教育改革の推進とともに、学校評価が焦点のひとつとなっている。臨時教育審議会以降、とりわけ1990年代以後の教育改革では、少人数教育、通学区域の弾力化あるいは学校選択制、学校評議員制、学校運営協議会、教育特区、民間人校長、教育委員会廃止論など、従来の学校経営の枠組みのリストラクチャーリング施策が相次いで導入されつつある。学校評価も学校設置基準に規定され、個々の学校にその努力義務が課されることとなった。さらに学校評価の標準化や評価システムの構築も求められている。これらの改革施策は何をもたらすのであろうか。現代学校評価の特徴は、学校の個性化・開放化及び信頼性の確保のための諸施策と関連して、学校の自律性と説明責任の強調、自己点検・評価の実施、教育目標の数値化、教員評価を求める動きにつながっている点にある。学校評価の客観化・標準化、第三者機関による評価、悉皆の全国共通学力テストや地域学力診断テスト実施の広がり、全国各地への学校選択制の拡大・普及と連動するとき、学校評価の「負」の側面が表面化するとの指摘もある。また学校評価の実施率は高いが、評価結果の公表については消極的な学校現場の実態もある。依然として、学校評価が学校現場に定着をみないとすれば、その事情や理由をどうみたらよいのか。本稿では現代学校評価の特徴を整理し、現代の新保守主義・新自由主義教育改革なかで学校評価がどのような位置にあるか、さらにそのあり方について検討する。
著者
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