生き方の美学 : 「みやび」から「いき」へ
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概要
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日本が生み出した最初の固有の美学は「みやび」である。それは「みやこ」という特殊空間をより特殊たらしめるべく、宮都の外観から都びとの生き方まで意図的に変える作法で、その究極にはバーチャルな世界を構築するに至った。「みやび」の洗練の極致の傍には、それを補完するように「さびしさ」に生の境地を見ようとするものもあった。時代が下り、優雅な「花」、過差の「花」を求めるものが出現すれば、その傍にはそれらに抗して「わび」の別乾坤を仮構するものも現れる。さらに「色好み」と「みやび」の伝統の上に「粋」をつくり、過差の「花」のはての「やくざ」と「粋」を加上して、「いき」の生き方もつくりあげた。すべての美学の基底には「みやび」があり、それらはつねに時代と向き合う真剣な生き方の表現として、美しく理念化されたものであった。
著者
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