日米学生討論場面における異文化摩擦 : ビデオを利用したプロセスリコール
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概要
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小論では、日米学生の討論場面をビデオ録画したものを参加者と共に振り返るプロセスリコールの実践例を紹介し、その有効性を述べたものである。プロセスリコールは、録画したビデオを視聴しながら、討論に参加した被験者がコミュニケーションスタイルや心理状態を振り返りながら、それらを討論に参加した学生が他の参加者と意見を共有する方法である。当実践の有効性として、以下の3点が挙げられた。1)異文化摩擦の場面を参加者自身が分析することにより、自ら意識的に摩擦の過程を解明し、解決する能力を養うことができる。2)振り返りの過程を他者と共有することにより、多様な立場から摩擦の要因を考えることが可能である。3)映像を利用することにより、より具体的、視覚的に討論場面が喚起され、非言語的側面も含め、相互作用の過程のより詳細でかつ客観的な観察が可能であり、場面をモニターする能力が向上する。また、プロセスリコール後のアンケートでは、異文化接触における対面相互作用の過程をより客観的に分析し、摩擦の原因、解決方法について考察するものが多くみられた。
- 放送大学の論文
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