0〜3歳児の描画過程で子ども間の模倣は出現するか:1年間の記録から検討する
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概要
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本稿は、ごく幼い時期の子どもが描画過程で他の子どもの模倣をするか、という問題に一つの答えを出そうとしたものである。これまで、模倣関係が明確にわかる対象年齢として4、5歳児を選択して子どもの描画過程における模倣の意味について実証的な研究を続けてきたが、より下の年齢でも描画過程で模倣が出現しているはずである。筆者は3歳児以下の子どもの描画の過程における模倣については、視覚的に捉えやすいフォルムやイメージの展開などを中心に、保育のプロセスで経験的な捉え方でしか確認できていない。そこで、0〜3歳児の描画過程における子ども間の模倣の様相を観察・収集し、模倣が出現するか否か、出現したとすればどのような特徴があるのかについて検討し、0〜3歳児の描画過程における子ども間の模倣を理解することを目的とした。4、5歳児の描画過程における模倣を継続的に調査した園の中の1園を選んで調査対象とし、0〜3歳児における描画過程の模倣を2006年度1年間に渡って記録した結果を分析した結果、ごく幼い時期の子どもを除いて描画過程における模倣が出現することを確認した。また、3歳児については0〜2歳児とは異なり、4、5歳児の描画過程における子ども間の模倣に近い様相を示すことを提示した。
- 2008-12-20
著者
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