幼児の描画における摸倣の研究 : 摂取した情報の質的検討
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概要
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本稿では幼児が摸倣の対象として摂取し表現に反映された情報の特性について検討することにした。幼児が視覚的に見て摂取したいと思う情報の特性を抽出し、描画過程における摸倣の実態を通じて、幼児にとって魅力ある造形的要素とは何かを見出したいと考えた。そこで、摸倣度の算出表から構図・フォルム・色彩・描画材・位置 (配置) の項目について数値が高いものから順に検討した結果、色彩は構図・フォルム・位置 (配置) ほど関心をもって摂取する情報にはなっていないという結果を得た。また、幼児はテーマや文脈に添って情報を摂取しており、子どもはイメージをもって摸倣の対象を選択し決定していたと考えられる。イメージは人間の営みのはじめに、共有できる形象として認知されたとされるもので、幼児が模倣の情報を選択するとき、色彩よりフォルムに関心をもったことと何らかの関連性を見ることができるだろう。幼児が摂取した情報は、「視覚的に興味あるフォルム」と「イメージに合うフォルム」であり、そこには摂取した幼児の表現への意図が込められていると考えられる。
- 名古屋柳城短期大学の論文
- 2004-12-20
著者
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