人間開発および民主化の要因に関する国別クロス・セクション分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は、米ソ冷戦終結後の90年代、新しい開発の概念として捉えられた人間開発、および人権擁護の狭義の意味としての民主化が、貿易構造、公共支出、女性開発、国際資本の流れ、所得分配との因果関係を明らかにするために、国別クロス・セクション分析を用いて検証した。この検証を通じての第1の発見は、輸出比率が人間開発を説明する正の有意な変数であったこと、第2に人間開発と海外直接投資との正の因果関係から、ノウハウや技術が移転されることが示唆されたこと、第3に途上国においては所得の不平等が小さければ、人間開発も促進されるということ、第4に GDP に対する軍事費の割合が高くなれば、民主化が後退する一方で、GDP に対する教育費の割合が高くなれば、民主化が促進されること、第5に外国直接投資などの民間資金は民主化が実現されていない国を回避すること、第6に所得の不平等が拡大すれば、民主化も妨げられることである。
著者
関連論文
- 組織行動と技能形成の関係に関する試論
- 戦略的人的資源管理(SHRM)の理論とその分析枠組みとしての有効性 : バングラデシュに進出した日系企業の事例調査を踏まえて
- アジア諸国における権威主義開発体制と人権問題
- 就職活動の実態とその成功の規定要因 : 本学国際言語学部の事例
- 人間開発および民主化の要因に関する国別クロス・セクション分析
- 教育と経済発展の定量分析 : バングラデシュのケース
- バングラデシュにおける労働力移動の定量的評価
- 就職氷河期における本学国際言語学部の就職活動の実態と成果要因 : 2006年度調査との比較を踏まえて
- 開発途上国の児童労働問題
- 社会科学系科目における学生の習熟度に関する計量分析 : 本学国際言語学部の国際関係論のケース
- 経済発展と労働力構造の変化 : 70年代、80年代における韓国とメキシコの比較(下)
- 経済発展と労働力構造の変化 : 70年代、80年代における韓国とメキシコの比較(上)
- バングラデシュにおける人的資源管理・開発と技能形成 : 企業票からの分析(下)
- バングラデシュにおける人的資源管理・開発と技術形成 : 企業票からの分析(上)
- バングラデシュの経済発展と就業構造の変化
- 職業教育の有効性 : バングラデシュ・ダッカ地域の事例
- The Prospect on the Technology Development/Transfer Promotion in Some APEC (Asia Pacific Economic Cooperation) Economies
- 職業教育プロジェクトに関する考察 -インドネシアの事例-
- バングラデッシュにおける外国直接投資の現況とそれがもたらす社会問題
- バングラデシュにおける熟練労働力の形成 : パネル調査による検証
- バングラデシュにおける熟練労働力の形成 : パネル調査による検証
- バングラデシュの児童労働問題 : Harikin法案の影響を中心に
- バングラデシュの中核労働者の実態 : アンケート調査からの試論